ゆるりゆらゆら恋心
▼依くんの本気
* No.5
▼ 依くんの本気
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「知ってる?
人が人を忘れる順番って、声かららしーよ 」
あの日 幼なじみが何気なく言った言葉には
一体どんな想いが込められていたんだろうか。
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今でも私 覚えているよ。
口癖が「うるせぇ」だったこと。
気怠そうに私の後ろをついて歩く姿。
自転車の荷台の座り心地 広い背中
私の前髪を触る優しい手 泣きそうな横顔
口元のほくろ とびでた喉仏 笑うと消えちゃう目
そういうの全部 覚えているよ。
なのに 「奈央」って呼ぶ凛の声を
私はもう 思い出せない。
─────────────────
「幼なじみ、やめよ」
引き返すにはあまりにも手遅れで
素直になるには時間が経ち過ぎていて
もう二度と戻らない関係だけど
私はもう一度だけ あの頃の空気を吸いたい。
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苦しくて 愛おしくて
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キミはいつだって
強引で
いつだって
突然で
いつだって
一瞬で
あたしの心を
奪っていく。
だけど俺様でも
ツンデレでも
先生でもない。
*。¨゚.*。・¨゚*。¨゚.*
君はただの文学好きな私の彼氏――。
*。¨゚.*。・¨゚*。¨゚.*
ぽちっとな。
↓
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麦くんは口が悪くて、目つきも悪くて。
すぐに暴言吐いて、喧嘩っ早くて。
どこにも交わろうとしなくて
すぐ一人になりたがるよね。
「私ほんとは全部、分かってたよ…っ」
だけど、それでも好きだった。
どんな理由であれ
付き合えて嬉しかった。
キスできるなんて、
夢にもみてなかった。
この時間が永遠のものになれと、バカな願いを心の中で何度も唱えた。
でも私は、それでも
「…麦くん、あのね」
そう話し始めるタイミングを
いつも隣で探していたんだ。
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