嘘つきは○○の始まり
終止符




『あんたさー、それヤバくない?』




休みのタイミングが合わず、
3ヶ月ぶりにやっと会えた美樹から
いきなり言葉の暴力を受けた。




「な、なによ!いきなり!」


『そのスッピン!服!髪型!肌荒れ!
あんたらしくない!』


「いいでしょ、別に。
誰に見られる訳でもないし…。
大体すぐ家行くじゃん!」



あり得ない と美樹は顔をしかめ、
吐き捨てた。



それもそうだ。
私も1年前までは家から徒歩5分のコンビニでさえわざわざ化粧をし、服を着替え、髪を整え、眼鏡も極力つけないようにしていたのだから。





1年前に彼氏と別れ、仕事が忙しくなってからどんどん私は女を捨てていった。





職場に着けば制服があるので毛玉ほつれのトレーナーで出勤。
髪もどうせまとめるのでアホ毛だけ直す。
事務作業のみで接客はないのでスッピン眼鏡。


休日はもっぱら睡眠に当て、体力回復に努める。


職場での飲み会はあるものの出会いはなく、干からびていってる自覚もあった。




しかし、干からびて何が悪いのか。
誰にも迷惑かけてないじゃないか。




そんな虚勢を堂々とぶち壊す美樹。







『分かった。
あんたに潤いをあげる。』










は?







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