クールなイケメン男子に惚れてしまって
俺はずかすかと鈴木がいる方へと歩き出す。




「お前、男好きにならないの?」




俺の疑問を素直にぶつけた。




……あ、あれ?




こいつ怖がってんじゃん。




見ると、怯えたように俺から後ずさって。




何か獲物を捕らえるような鋭い目をしていた。




俺はすぐさま腕を掴む……。








――鈴木は俺に対して反発していた。




挑発するような口調で俺に話しかけて。




美人で凛とした女性だと密かに思っていた。




なのに。




気づけば、「俺に惚れたら?」だの俺を好きになれば男嫌いを克服できるだの言い出して。




少しやけくそになっていた。




でもそれでもいい。




ああやって言うことで、また接点も増えるし、俺のもんになる。




鈴木が男嫌いとわかっても、何故か諦められなかった。




意地でも俺を好きになってほしかった。
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