クールなイケメン男子に惚れてしまって
私に好きな人が出来る!?




冗談じゃない。
大体私が男にときめくとか。




自分の恋している姿を想像して吐き気がする。




絶対にありえない。
楓ってば私をバカにしてるんだろうか。




「ちょっと楓!」




私が男嫌いって知っていながらなんて発言を。




怒りが湧いてくる。




「まあいいじゃん。……楽しみだなー、里沙の恋してる姿を見るの」




全然分かってないじゃん……。




大体私に構ってくる男子すら居ないんだから、好きになるはずなんてない。




だからはっきり言ってやったんだ。楓にちゃんと分かってもらうために。




「私はね、男なんか好きにならないの!」




教室中に私の声が響き渡る。




「はいはい」




楓はこんな調子だ。
本当どうしたら分かってくれるんだろう。




……でもまさかその一言で私の人生が変わるとは思いもしなかった。




何気なく言ったその言葉が――。



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