クールなイケメン男子に惚れてしまって
冷や汗が流れてくる。




隣に居る楓を見るけど、ただ私の様子を可笑しそうに見ているだけだ。




少しは助けてくれたらいいのに。
心の中でそう思うけど、届かないみたいだ。




完全に私の事を放ったらかしって感じ。
私が男嫌いって事知ってるくせに……。




私が抵抗してもなおも離さないそいつにだんだんイラついてきた。




「離して!」




怒鳴りつけるように言うけど全くそいつには効かない。




表情は真っ直ぐで凛とした瞳。
一体何考えてるんだ。
……と思うぐらいクールで。




その顔を見てると更に苛立ちがおさまらない。




「……お前、男好きにならないの?」




低音の声で囁くように私の耳元でそう言うと、やっと私の腕を離した。




え……?




一瞬耳を疑った。




私の男嫌いは入学早々、全校生徒に知られていると思っていた。




なのに、知らない人が居たなんて。










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