クールなイケメン男子に惚れてしまって
――よし、逃げよう。




そう決意してくるっと後ろを向く。




大体あいつが喋りかけてくるから悪いのだ。




少し調子が狂ってしまっただけ。




そう自分に言い聞かせて、その場を立ち去ろうとした。




でも……。




「待て。まだ話は終わってない」




そう言ってそいつはまた私の腕を掴んできた。




……なんなんだ、こいつは。
私の事に首突っ込んで。




どれだけ私の事を知りたいんだ?
疑問に感じる。




……そんな事より!




私は掴まれていた腕を思い切り振り払って、そいつを睨みつける。




私に近づくとか100年早い。




でもまたあの何考えてるか分からないクールな表情で、私を見つめてきた。




「俺に惚れたら?」
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