203号室で暮らそう
失恋したんだ――。
 
そんな、フッと浮かんだ思いに、妙に自分で納得していた。
 
だって。
 
だって、今、すごく。
 
陽景くんに、会いたい――。
 
彼のことを考えると、胸がキュッと痛い。
 
こんな感情を、恋と呼ばずして、何と言うのだろうか。
 
今更になって、気づくだなんて――。
 
いつまでも、私の傍にいることはないひとだとは、思っていた。
 
だけど、別れは突然で。
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