203号室で暮らそう
くらっ。

私は突然、眩暈を覚えた。
 
それでも、なんとか踏ん張って、淡々と商品をスキャンし続けた。
 
と、手にした梨を、ぽろっと落としてしまった。
 
私は慌てて屈んで、梨を手に取り、すっと立ち上がった。
 
その時。
 
さっ……と目の前が真っ暗になった。
 
私は、ガクンとその場にヘタりこんでしまった。

「ちょっと、お姉さん!?」

「大丈夫? 誰か、誰か来てちょうだい!」
 
周りが騒ぐのが、遠くで聞こえた。
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