203号室で暮らそう
きっと、口へ運んでも、そこで手が止まっていたに違いない。
 
私はなんとか、ゆっくり身体を起こした。

「今日はもういいから。早退して、家でゆっくり休んで」
 
チーフはにっこりと優しい笑顔をくれた。
 
素直に、その言葉に甘えることにしよう。
 
――自分が、情けなかった。
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