203号室で暮らそう
瞬時に、あたまの中に、陽景くんの姿が思い浮かんだ。
 
あ――……。

「あれ? 木綿花チャン、大丈夫?」
 
私は……。
 
私は、自然に、ぽろぽろと涙を落としていた。
 
みんながいる前で泣くなんて、恥ずかしい、なんて、酔いが回ってるせいかな? 全く思わなかった。

「……陽景、くん。……陽景くんが、好きなの。会いたいよぉ」
 
私は彼の名を口にした。
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