203号室で暮らそう
私はパッと顔を上げた。
 
すると、柚実はきょとん、とした表情を見せていた。

「陽景くんの、ケー番、知ってるよ」

「――うそ……」
 
私の涙は、きゅっと止まった。

「っていうか、なんであんた、彼の連絡先知らないのよ。――おーい、トオル、そこにある私の携帯取って」
 
部屋のテーブル近くん座っていた男の子が、柚実の声に気づき、言われるがままテーブルの上にあった携帯を投げてよこした。
 
柚実はそれをうまくキャッチ。
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