203号室で暮らそう
「――え?」
 
柚実は私の戸惑いに、笑顔で返す。

「陽景くん。あんたと話したいって」
 
柚実の携帯を手に取る、私の手が小刻みに震えている。
 
こんなお酒のドリーミーな世界に、私はいるの?

「……は、るかげ、くん……?」

『ゆーか?』

「うん。ゆーか」
 
ああ、陽景くんの声だ。
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