203号室で暮らそう
第2章
次の日も、また次の日も、陽景くんは一向に私の家を出ようとしなかった。
 
まだ少しぼーっとはしているものの、それでも少しは変化があった。
 
カタコトだけれども、私が話しかけると、返事をしてくれるようになったんだ。
 
ある8月の平日。
 
今日はバイトはお休みだった。
 
私たちは朝ごはんを食べ終えて、食器を片づけると、いつもの如くベッドに横になっていた陽景くんをずるずると寝台から引き下ろした。
 
いつもは私のベッドの横に布団を敷いて眠っている彼。 
 
だけど、起床と同時に、私はそれをたたんでしまうんだ。
 
すると彼は、まるで犬小屋に籠もる犬のように、私のベッドの上にあがる。
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