203号室で暮らそう


ぱんっ。
 
ぱんっ。
 
私は干している布団を、木製の布団叩きで叩いているところだった。
 
日曜日の午前のお日様の光、あたたかい。

ああ、いいお天気だ。

洗濯したシーツも干している。
 
けれど、お日様はすっかり秋の顔をしている。
 
夏のギラギラした照りはない。穏やかで、優しい。
 
半袖姿も、心持ち肌寒く感じられるようになったなぁ。

「陽景くん、今日、秋物の服、買いにいかない? いつまでもシャツ1枚じゃ寒いでしょ」
 
私はベランダから戻ると、室内では未だ箱根Tシャツ姿の陽景くんが――。
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