双姫 Ⅲ
類side
「朱音…。」
「離せ…離せぇ!!」
振り解こうとする力は、
喧嘩を退けていたのに
『双姫』の時と実力は変わらない。
つまり、相当痛い。
「私が…私が助けなきゃッ!!」
「……。」
家庭を持ち、幸せな生活を送っていても
朱音は過去に縛られている。
それは全て目の前の男のせい。
「ヒィッ!!」
ギロりと睨むと男は震え上がった。
「朱音、もう苦しまなくていい。」
涙を流す朱音を後ろから抱き締めた。
類sideEND