双姫 Ⅲ
「と、止まったぁ!!」
「……ハァ…流石に焦りました。
類が居なければ手遅れでしたよ。」
「あっぶねぇ…。」
「類!止めんなら早く止めろ!!
ヒヤヒヤすんだろうが!!」
「久しぶりに昔の朱音を見たな。
……蒼空と天空がダブって見えたんだろう。」
後ろから安堵の声と非難の声が聞こえた。
それでも、
お父さんはお母さんを優しく抱き締めたまま。
「……朱音。」
「あ…る、い?」
「うん、おかえり。」
さっきの怖い感じがお母さんから消えた。