双姫 Ⅲ
十年以上前って私達何才……?
『えっと…記憶にございません……。』
「蒼月もぉ…。」
「まぁ、記憶にあったら逆に怖ぇけどな!」
なんじゃそら!
なら「久しぶり」とか言うなや!!
申し訳ないって思った気持ちを返せ!!!!
「ってのは冗談で、
二人に会ったのはまだガキの時だったからな。
覚えてなくて当たり前なんだ。」
『あ、そうなんですか。』
「翠叔父さんは父さんのお兄ちゃんなんだよ!」
『えぇ!?お父さんの!!??』
「通りで似てる訳だぁ〜!」
「そんでもって元仮婚約者に依頼されて、
私を拉致った張本人。」
『「うえぇぇぇーーーー!!!???」』
「おい、朱音。
それは言わなくて良いだろ!」
「えー?だって、本当の事じゃない。
なんだったっけ?
「お前を必ず連れ去る」とか色々言ってたよね〜?」
「止めてくれー!!!!」
なんて、複雑に入り組んでる縁なんだろう…。