双姫 Ⅲ
「まぁ、それから玲達も加勢に来てな?
調べてたから『双覇』って事は知ってた。
加えて『双姫』も居たから
一先ずその場から逃げた。」
バイクかっ飛ばして、
出来る限りの情報を掻き集めた。
依頼そっちのけで自分の疑問の答えが欲しくて。
「それで『樺沢組』に
引き取られていた事を知った。」
ショックだった。
どこかで幸せに暮らしていると思ってた。
俺と同じ裏の世界に居た弟。
しかも組の中で力を持つ『樺沢組』の
次期組長として。
「…朱音を誘拐しろと依頼した奴からは
類を消すように指示されていた。」
『消すって…。』
「殺せって事だ。」
そんな汚い事を俺は今迄してきた。
この手は赤く、血の色に染まっているんだ。