双姫 Ⅲ


「まぁ、それから玲達も加勢に来てな?
調べてたから『双覇』って事は知ってた。

加えて『双姫』も居たから
一先ずその場から逃げた。」


バイクかっ飛ばして、
出来る限りの情報を掻き集めた。


依頼そっちのけで自分の疑問の答えが欲しくて。


「それで『樺沢組』に
引き取られていた事を知った。」


ショックだった。
どこかで幸せに暮らしていると思ってた。

俺と同じ裏の世界に居た弟。

しかも組の中で力を持つ『樺沢組』の
次期組長として。


「…朱音を誘拐しろと依頼した奴からは
類を消すように指示されていた。」


『消すって…。』


「殺せって事だ。」


そんな汚い事を俺は今迄してきた。

この手は赤く、血の色に染まっているんだ。


< 134 / 520 >

この作品をシェア

pagetop