双姫 Ⅲ


俺の言葉に青褪める朱羽と蒼月。

二人は今日初めて組の人間と会って、
自分達が『樺沢組』の組長の娘って知ったんだ。


まぁ、自然な反応だな。


「そんなん言われて
はい、殺しますなんて言えなくてな。

適当に嘘付いて誤魔化した(笑)」


『え、え?誤魔化したって。
それって大丈夫だったの??』


「ん?あー奴は朱音しか見えてなかったからな。
しかも殺す目的が馬鹿らしくてよ。

「私がダンスに誘っても断られたのに
なんでアイツとは!」って真っ赤になって(笑)」


あー思い出すだけで笑いが止まんねぇ←爆笑


「……叔父さんってドSだねぇ!!」


『それもお父さんソックリ。』


「マヂか?
まぁ、朱音を誘拐したのは本当だ。
雇われてんのに何もしなかったら疑われる。

それに俺も命が惜しかったからな?」


依頼を受けて放棄すれば首が飛ぶ。

組に入れられてそれを初めに叩き込まれた。


< 135 / 520 >

この作品をシェア

pagetop