双姫 Ⅲ


「なーんだ!良かった♪」


弟よ。その♪は何……?


「父さんが「用意してるからおいで」だって!」


「少ししたら行くから
先に食べといてって言って…。」


「母さんがそう言ったら
「立てなくする」って父さん言ってた!」


「直ぐ行くから待っててって言ってーー!!」


やれやれ、
お父さんのお母さんに対する溺愛っぷりは
いつもながら凄まじいです……。


「朱羽、蒼月…大丈夫だからご飯食べなさい。
お母さんも直ぐに!行くから…………。」


『う、うん。』


結局、少しも探りを入れられなかった…。


慌てて服を整えるお母さんを見つめ、
そのまま部屋を出る。

その時、
お母さんが私達を見ていたなんて知らなかった。


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