双姫 Ⅲ
「なんで認めてないのさ!」
「周りから俺の方が上に見られるのはなんでだ。
お前が弟にしか見えないからだろ。」
『確かに蓮斗の方が見え…なんでもない!』
見えるって言い終わろうとしたら、
物凄い顔で睨まれた。
ヤバいー!この人達ヤバいー!!!!!
「姉ちゃん…この二人って『双神』だよ。」
天空が私と蒼月にしか
聞こえない声で話し掛けてきた。
『え…それって世界一の暴走族の……?』
「うん。
父さんとその友達から聞いた話なんだけど、
『双神』は元々『双姫』『双覇』『神龍』が
合併、つまり組合わさった新しい暴走族。
だから、一番強い。」
「え、父さん達よりもぉ〜?」
「それはないけど…。」
だよね!なんか安心。
「でも、総長と副総長だよ。」
……うん、この人達から距離置きたいなぁ〜。
確かに強くはなりたいけど、
まだ身内の事も知らないのに
いきなり接するのはちょっと遠慮願いたい。