双姫 Ⅲ
「朱羽と蒼月にはさっき話したけど、
その時、錦に撃たれてね。
生死をさ迷った事があるわ。」
「母さんが…?ケガは!!??」
初めて聞いたのか天空は取り乱し、
お母さんの手を握り締める。
「ちゃんと治療したから目立たないわ。
大丈夫よ。」
その言葉に安心した顔を見せる天空。
「良かった…。」
本当…天空ってお父さん似だよね。
「あの時はもう駄目かと思った。」
「…そうね。
正直、私も生きてる事が不思議だった。
蒼空が生かせてくれたとしか思えない。」
すると、
お母さんは突然立ち上がり部屋を出て行った。
『お、お母さん?』
お母さんは何かを持ち、部屋に戻って来た。
「私を守ってくれた物よ。」
カタン…
そう言ってテーブルに置かれたのは
黒と白の仮面だった。