双姫 Ⅲ
「ようこそ我が母校へ!!
あんまり変わってないわ〜。
相変わらず不良ばっかね…心配だわ。」
『お母さんって周りの人には
心配症って言うけどお母さんもだよね。』
「親が子を心配するなんて当然じゃない!
あー!心配!!」
「中学でも大丈夫だったんだから
高校も大丈夫だよぉ〜。」
心配してるお母さんには悪いけど、
なんだか嬉しいな。
不安だったのに今は嬉しさでいっぱい。
「とりあえず…全生徒を把握しなきゃ。」
『「…ん?」』
全生徒を把握??
「もしかしたら暴走族、
又は組の人間が居るかも知れないでしょ?」
『まさか…小学校、中学校の時も……?』
「幼稚園の時もよ。
まぁ、中学まではエスカレーター式だったから
覚えるのに支障は無かったわ。
顔、名前、入学先、親の顔、職業
全て頭の中に記憶してる。」
なんつー記憶力…。