双姫 Ⅲ
「じゃあ、
これから校内を好きに見学して来~い。」
先生は欠伸をしながら教室から出て行った。
「案外良い先生なのかなぁ?
でも、凄い適当ぉ〜♪」
『そうだね〜。』
「朱羽、蒼月!一緒に校内周ろう〜♪」
「行くぞ。」
隣の亜蓮が話し掛け、
蓮斗が無理矢理連れて行こうとする。
『痛いんだけど!てか、邪魔。』
蓮斗を突き飛ばし、横を通り抜ける。
「おねぇちゃ〜ん?」
『ちょっと話があるんだけど。
校内周り、一緒に行かない?』
「え?」
私に声を掛けられた颯真は呆然としていた。