双姫 Ⅲ
憧れ
『良かったぁ〜…帰ったかと思った。』
理事長室に長居し過ぎた私達が悪いんだけど。
「いや、あの『双姫』に会えるんなら
幾らでも待てるよ(笑)」
「そんなに会いたいんだぁ♪」
「逆に朱羽と蒼月の
どっちかが助けられたら礼を言いたくないか?」
『お兄さんの事、大切なんだね?』
あんなに必死になって、
お母さんの事を聞こうとしてた。
それ程お母さんに感謝してて、
お兄さんが大切だから言いたいんだよね。
「そ、そんなんじゃねぇーし…。」
『あ、照れた(笑)』
ポリポリと頬を掻く颯真。
こんなに慕われるお兄さんって
どんな人なんだろう。