双姫 Ⅲ
「俺はネジ曲がってねぇ。」
ギク!
な、何故分かったの?
『まさか…声出てた?』
「やっぱ、そう思ったんだな。」
嵌められたぁ!!!
『こーゆうのって誘導尋問って言うのよ。』
「引っ掛かった朱羽が悪い。」
あー言えばこー言うんだから!
ムキィー!!腹立つ!!
「亜蓮、蓮斗〜?あ!二人共おかえりなさい♪」
リビングから出て来たのは真白さん。
『あ、お久しぶりです。』
「いきなりでビックリしたでしょ?
亜蓮達が「どうしても行きたい」って聞かなくて。」
苦笑いをしながら話す様子は
嘘を付いているようには見えない。
『えっと…気にしないで下さい。』
お母さんの友達を責める事なんか出来ない。
心の中でため息をするしかなかった。