双姫 Ⅲ
『お母さん…。
『双姫』として行動しなくなったから
そっとしてやろうって想いだよ。』
なんで、私が説明してんだか…。
「え?そうなの??」
「だって、やっと幸せを掴んだのに
色々あったんですから…。」
疾風さんもお母さんの過去を知ってるのか
少し暗い顔をする。
「なーんだそんな事?
確かに『双姫』は良い思い出じゃないけど、
あの頃があったから今の私が居ると思うの。
…そう思えるのに随分時間が掛かったけどね?」
「朱音さんには敵いませんよ…。」
苦笑いをする疾風さん。
この人もお母さんの事で苦労したんだろうな…。
今度詳しく聞いてみよ!!
「朱音さん、俺の弟の颯真です。
『双姫』の事を話したら興味を持ったみたいで
俺にしつこく「会わせろ」と言ってました。」
「は、はははハジメマシテ!!!!」
颯真よ…まだ緊張してたんだ(笑)