双姫 Ⅲ
女心
「ねぇ、おねぇちゃん〜。
なんで元気ないのぉ?」
ベッドに潜り込んでる私を突っつく蒼月。
『…ちょっと食べ過ぎただけ。』
「全然食べてなかったじゃん!」
バレてますね…嘘ついてるって……。
「蓮斗にあんな事言ったからぁ~?
でも、本心なんでしょ??」
『本心…。』
確かに俺様は嫌い…。
でも、あの時は悪戯心が強かった気がする。
「もしかして、好きになっちゃった!?」
『な!?んな訳ないでしょ!!??』
いきなり何を言い出すの!
あんなストーカーみたいな奴誰が!!
「嫌よ嫌よも好きのうちって言うからねぇ〜?」
『だから…ハァ……もう寝よ。』
付き合いきれなくなった私は、
蒼月を無視して布団を被って眠りについた。