双姫 Ⅲ
蒼月side
「盗られないもん…。」
「気長に攻めるからねぇ〜♪」
ケラケラと笑う亜蓮を横目で見る。
" 大人しく盗られれば良いんだよ。 "
ドキン…
「ん?そんなに見てどしたぁ〜?
僕に見とれちゃった??」
「違うも〜ん。
蓮斗の方がお兄ちゃんみたいだなって
思っただけですぅ。」
「ヒドッ!
一卵性なんだから似てなくて当たり前じゃん!」
「大人っぽさを全部蓮斗くんに持ってかれたな。」
「颯真までぇ〜…。
てかさ、君付け止めようよ!」
「亜蓮がそう言うなら、
今度から呼び捨てさせて貰うわ。」
後ろに居る颯真と談笑する亜蓮を
またチラりと盗み見る。
顔はやや童顔で、
神田さんより真白さんっぽい顔立ち。
キュート…かなぁ?
でも、身体を鍛えてて男らしさがあるかも。
周りの女子も熱い視線を向けてて、
注目の的になってる。
やっぱりモテるんだぁ…。
「また見てる!そんなに僕が気になる〜?」
気付くと、亜蓮の顔が目の前にあった。
「ほわ/////」
「あー…その顔、唆る。」
「ち、近いぃーー!!!」
一つ学んだのは、
たまに危険な香りがするという事。
蒼月sideEND