双姫 Ⅲ
私の衣装は…真っ赤なドレス。
なんでも、女王様をイメージして作ったらしい。
私はそんなんじゃないんですけどね……。
「あの子良いなぁ〜。
あんな紳士に手を差し出されて!!」
「あれで振り払うとか無いよね!」
マジですか。
私、振り払う気満々だったんですけど……。
周りの声に迷いながら蓮斗を見ると、
ニヤニヤと笑っている。
『こっんの野郎ぉ〜〜〜〜!!』
ほら、紳士だろ?
手を取るしかないだろ?って顔がムカつく!
それでも周りの視線に耐え切れなくなった私は
嫌々ながらも蓮斗の手に自分の手を重ねた。