双姫 Ⅲ
「今の朱音じゃ想像出来ないだろう?」
私達の思ってた事が分かったのか
紘叔父さんはゆっくり話し始めた。
「血に染まる妹を抱き、
泣き叫ぶ姿を今でも鮮明に思い出す。
幼い朱音にとって心を壊すには
充分過ぎる出来事だった…。」
周りの人達も静かに紘叔父さんの話を聞いてる。
「そして、天涯孤独となった朱音を
俺と俺の両親は養子として向かい入れた。」
え?
『養子…?』
「俺と朱音は血の繋がった兄妹じゃないんだ。
でも、本当の妹だと思っている。
朱音と蒼空はそれ迄、
捨て子として施設に暮らしていた。」
お母さんと蒼空叔母ちゃんが捨て子…?
もう頭の中がパニック状態だ。