双姫 Ⅲ
「あれは落ちたな。」
『ちょっと、なんかその言い方嫌。
人の妹が簡単に手に入ったみたいな。』
「次は…。」
ニヤりと笑う蓮斗の顔は
何が言いたいのか容易に想像出来る。
『そう簡単に気持ちを決めるなんて
私はしませんからね!!』
誰がこんな俺様好きになるもんですか!
「そうそう、蓮斗は嫌われてなよ(笑)」
「おい、颯真。
お前が有利って訳じゃねぇーぞ。」
「蓮斗よりは良いと思うけど。」
訳の分からない睨み合いを放置して、
周りを見渡す。
来る筈の人物を探す為に。