双姫 Ⅲ
「類ってさ、普段どうしてるぅ〜?」
「相変わらず朱音にベッタリか?」
なんで分かるんだろう…。
「聞くだけ野暮でしょう。」
「類は大の女嫌いだったんだよ〜?
なのに朱音にはベタ惚れだったんだから♪」
『お父さんが女嫌い!?』
「嘘だぁ〜!だって、毎日凄いんだよぉ!!??」
『馬鹿!』
ドカ!
蒼月の足を踏んづけた。
「イデッ!痛いよぉ〜……(泣)」
そこは言わんで良い!
「相変わらずみてぇだな。
類にとって朱音は初恋だったからな…。
女嫌いなのは類を捨てた母親が原因だ。
「全ての女が母親に見える」って
アイツは毛嫌いしてた。」
「なのに「朱音が女だった方が安心した」って
言ったよな!」
「その時には既に好きだったんでしょう。
私達は男だと疑っていませんでしたが。」
お父さんが女嫌いだったなんて。
自分の両親なのに
私達よりこの人達の方が良く知っている。