双姫 Ⅲ
『お、お母さん…だよね。』
「う、うん。」
見覚えのある黒い仮面。
私と同じ『朱』の瞳が見える。
お母さんと分かってるのに
何故か別人な気がして緊張が走る。
「立ってるだけなのに凄い威圧感だな……。」
『颯真!どこ行ってたの!?』
「ん?巻き込まれないように隠れてた。」
え、初代『双神』の弟が隠れて……?
「ヘタレぇ!!!」
「ヘタレ言うなよな。
俺は兄貴みたいに喧嘩出来ないよ。」
『へぇ〜…なんか意外。』
兄弟が暴走族に入ってたなら
「俺も入る!」ってなりそうだけど。
「もし必要なら俺も喧嘩覚えるよ。」
必要…か。
私と蒼月は面白がって習ったなぁ(笑)