双姫 Ⅲ
蓮斗side
なんだ、この緊張感。
ただ目の前に居るだけなのに圧倒される。
「『双神』に指名されるなんて光栄だな。」
先に口を開いたのは『黒双姫』だった。
「こんな事滅多にないチャンスだからな。
アンタで自分がどこ迄ヤれるか試したい。」
「僕も手合わせしたいって思ってたんだぁ♪
この場を設けてくれた理事長に感謝!」
「血の気の多い奴だ。
蓮斗のそーゆう所、玲にソックリだな。
亜蓮は真白似か。」
「母さんも知ってるのか。」
「朱音が知ってんだ。
俺が知らなくてどうする。」
コイツ、朱音さんとどんな関係なんだ?
確か朱音さんの血縁は妹の蒼空さんだけだ。
「こんな時に考え事か?
警戒心を解くと油断が生まれ、
取り返しのつかない事になるぞ。」
「ご忠告どうも。
じゃあ、御手合わせ願おう!!」
考える事を放棄し、俺らは殴り掛かった。
蓮斗sideEND