双姫 Ⅲ
蓮斗side
亜蓮が『黒双姫』の視角から仕掛け、
俺が気を逸らす。
確かに俺らより断然強い。
だが、舐められちゃ困る!
「とりゃ!」
ドカッ!
「なッ!?」
「でかした亜蓮!」
さっき朱羽がしたのを見てたな。
上手いタイミングで足を引っ掛け、
『黒双姫』がよろめいた。
「おらぁ!!!」
ガンッ!!
そのチャンスを逃さず、顔面に一発入れた。
カラン…
「え……?」
殴ったせいで仮面が地面に落ち、
綺麗な『朱』と『蒼』の瞳と目が合う。
嘘…だろ?まさか!!
ドカッ!
バキッ!!
「はい、油断しない!
その隙が命取りになるんだからね?」
「ひ、卑怯だよぉ〜!
父さんの嘘つきぃーーーーー!!!!」
あのクソ親父……。
『黒双姫』と『白双姫』が朱音さんなのかよ!
蓮斗sideEND