双姫 Ⅲ
朱音side
「だから、止めろって!!」
蓮斗達をシバこうとする類を必死に引き止める。
「俺は妻を殴った奴に分からせるだけだ。」
なんで当たり前だろ?って顔で言うの!?
「血が出てる……痛い?」
口元を拭うと少し血が付く。
「こんなのなんともない。
類達に会う前にはこれ以上に怪我してたから。」
苦い思い出。
復讐に捕らわれた私は狂った様に暴れ回ってた。
何度身体中に怪我をし、
返り血を浴びて家に帰ったか……。
「……ソイツらも調べ上げて潰すか。」
ほ、本当にしてしまいそうで恐ろしい……!