双姫 Ⅲ
「……チッ…逃げたか。」
『りお……?』
「でも、一先ず無事なら良しとするか。」
歩ける訳ねぇーよな。
ここはおんぶか…抱っこか?
「後で怒んなよ?」
一応、断りを入れてお姫様だっこをする。
『蒼月…に……杏仁豆腐…。』
「あぁ、食わせてやろーな。」
怖い目に遭ったのに大事そうに
杏仁豆腐が入ったビニールを抱える朱羽を見て、
荒れそうになった気持ちが落ち着く。
でも…次、会ったら叩きのめしてやる。
蓮斗sideEND