双姫 Ⅲ
『ねぇ、学校は……?』
「あ?んなのサボったに決まってんだろ。」
いや、当たり前だろって顔されても…。
「蓮斗ってば素直に
「お前の事が心配だったんだ。」って言いなよぉ。」
「……伝われ。」
『無茶言わないで〜(笑)』
エスパーじゃないんですから。
「…ところで、
コンビニの帰りの事で何か覚えてるか?」
『コンビニ…帰り?』
熱で上手く働かない頭で記憶を辿る。
蒼月の為に杏仁豆腐を買いに行く事になって、
近くだから車は呼ばなくて…でも、熱が出て?
帰る時に裏道で……。
『全身真っ黒の男に襲われた…?』
「顔は見てないか?
フード被ってたから見えなかったんだ。」
じゃあ、蓮斗が助けてくれたのは現実?
「朱羽ピンチだったんだ!?
蒼月が慌ててたから蓮斗が探しに行ったけど、
間に合って良かったねぇ〜…。」
もし、蓮斗が少しでも
間に合わなかったらどうなってたんだろう。