双姫 Ⅲ
慌ててスマホを拾い、耳に当てる。
「どんな奴らだった。」
〈菊の紋様が見えました…。
類と対立していた組ではないですか?〉
菊の紋様『夜菊(やぎく)』
「アイツらか。」
〈私の周りには
元『双覇』『神龍』が居ます。
これから類に知らせて、奪還しますので
朱音さんは家で…「私も行く。」はい!?〉
「私も行くって言ったの。」
〈類と『約束』したんじゃないんですか!?〉
「関係ないわ。
私の娘に手を出した事を後悔させてやる。」
〈朱音さ…ブチ…ツーツーツー…。〉
李樹が何か言ってたけど気にせず通話終了。
着替えずシャワー室から出て、
外で待たせてある車に乗り込む。
迷わずパソコンを開き、
違法と言われるハッキングを行なった。
「場所は〇〇空地近くにある倉庫。
行きなさい。」
私の言葉により車は発進する。
さぁ、私を怒らせた奴らをどうしてやろうか。
腕と足を組み、前を見据えると
運転者が震えた気がした。
朱音sideEND