双姫 Ⅲ
カラカラカラ……
『う……痛っ!』
左の足首に激痛が走り、身をよじる。
「悪い…ちゃんと守れなかった……か。」
『み、なと?』
ポタ……
これは、血……?
「ハハ……蓮斗に…説教さ、れんな?」
『湊…?湊ッ!!!』
転倒の衝撃から守る為に
私を抱き締め、湊は深手を負っていた。
「男は片付いたみたいだな。
お嬢ちゃん、悪いが一緒に来て貰おうか。」
『アンタら……許さないッ!!』
私達を尾行していた奴らなのか
知らないけどそんなの確認する必要は無い。
湊をこんな目に遭わせたコイツらが許せなかった。
バキッ!
「な!こ、コイツ強ぇ!?」
「どーなってんだ!話と違うぞ!!」
『何が「話と違う」……?
アンタら…誰に言われて襲って来たのよ。
まさか、お父さんを蹴落とすつもり?』
紘叔父さんに喧嘩教えて貰ってて良かった。
「そんな事喋ったら俺らが危ないんでね。
お前ら仕切り直すぞ!!」
『待てッ!!』
静止の言葉をかけるも、
奴らはバイクで逃げて行った。