双姫 Ⅲ
『勝手に襲って、勝手に逃げて!!』
なんなのよ!それより、湊が!!
『湊!湊ッ!!』
「お前…強かったんだな……?」
顔を歪めながら笑う湊を見て、
こっちが痛々しく思う。
『紘叔父さんに教えて貰ってたから!
た、立てる?病院行かなきゃ!!』
と言っても移動手段は無い。
あるのは倒れたバイクだけ。
ガチャンッ!
「朱羽……?」
『これ位だったらイケるかも。
湊、乗って!!』
乗った事はないけど、乗り方なら知っていた。