双姫 Ⅲ
「運転…出来たのか?」
『出来ない!!』
自信満々に否定すると湊は
「ブハッ!で、出来ねぇのに乗れって……?
ウケ過ぎて腹い、痛てぇ。」
盛大に笑いながらお腹を押さえてる。
痛いのは傷のせいだと思うんですけどね?
『乗り方なら知ってる!
それに湊の運転の仕方を体験したから大丈夫!!』
「まぁ、確かに痛みが尋常じゃ……ないな?
このままくたばるより朱羽と一緒の方が
俺にとっては幸せか。」
死ぬ前提にするな!!
『気を失ってもこの腕だけは離さないでね!?』
「女好きには殺し文句……だぞ?」
冗談かましてるけど出血量が多い。
『行くよ!!』
ブォンッ!!
初めて運転するバイクに不安を感じるも、
湊の事だけを考えて病院へ向かった。