双姫 Ⅲ


湊side


『大体、アイツが心配する訳ないし…。』


「ブッ……ははは!!」


ブツブツと呪文のように愚痴る朱羽を見て
思わず吹き出す。


『ちょっと、何爆笑してんのよ。』


「いや…面白くてな?
笑わせんなよ、痛てぇのに(笑)」


笑ってたら地味に響く。


『大丈夫?
退院するまで私が身の回りの世話するから!!』


「ん?
大した事ないし、直ぐ退院出来るんだろ??」


『それはそれ!
私を庇って怪我したんだから当たり前でしょ?』


そーなのか?


「ちゃんと守れなかったんだぞ?
足首痛めてたろ。」


『こんなの湊の比べたらへっちゃら!』


無邪気な笑顔を見せる朱羽。

何故かその笑顔が輝いて見えた。


湊sideEND


< 437 / 520 >

この作品をシェア

pagetop