双姫 Ⅲ
「あげちゃん運転出来たんだー!?」
『いや、私は出来ないよ?
蒼月は芦基叔父さんに仕込まれてたけど。』
仕方は紘叔父さんに教えて貰ってた。
「そんでよぉ運転したな(笑)」
『だって、湊が……。』
「ありがとう。
俺の為に必死になってくれて。」
「ハァ……でも、無事で良かった。
朱羽は手当して貰ったのか?」
『あ、忘れてそのまま。』
湊の血を見てパニック状態だったから
足の痛みなんて忘れてた。
「念の為、見て貰おっか♪」
「痛めたの左足首ぃ〜?
蒼月もなんか痛いけど……。」
『あ、うん…痣に……うわ!!』
靴下をズラして見ると赤黒く内出血していた。
ガバッ!
『わわ!!』
「ちゃんと治療しねぇーから!!」
大袈裟な!!それより抱えて走んないでー!
院内の視線に耐えられず顔を手で覆った。