双姫 Ⅲ
ガチャ
扉が開いた方を見る。
「お嬢さん方、お目覚めになりましたか。」
入って来たのは
趣味の悪い豹柄のスーツを着た男。
悪いけどハッキリ言って、超ダサい。
『何か勘違いをなさっている様です。
私達は『樺沢組』なんて知りません。』
「ハハッ!悪あがきか?
『樺沢 類』の娘ってのは調べがついてる。」
樺沢 類?
「お前らを攫って、
脅せば俺らの格が上がるんだよ。」
この男の言っている事が理解できない。
お父さんはジュエリーブランドの社長。
だって、組なんてまるで…。
「組長!!」
「あぁ?」
突然現れた男に苛立ちを見せる豹柄男。
「来ました!」
「ほお?早いじゃねぇーか…。
お嬢さん達を連れて来い。丁重に…な?」
私達は男に担がれ、部屋を出た。