双姫 Ⅲ
碧side
「若。」
「なんや?今、忙しいんや。」
資料を捲るのを止めて振り返る。
「例の件なのですが……。」
「あぁ、アレなぁ。
ヘマした奴にはキツーいお灸しぃよ?」
カラカラとコップに入った氷を弄び、
一気飲みする。
「わいは勝算ない遊びすんの嫌いやかんなぁ。」
「なぁ?」と同意を求めると、
無口を決め通すわいの補佐。
「どうするおつもりで?」
「さぁな〜?
わいはぬらりくらりするだけや。」
あぁ、笑いが止まらんなぁ……。
バサッ!
乱暴に投げられた資料には
『樺沢 朱羽』『樺沢 蒼月』に関する事。
と書かれていた。
さぁ、狩りの始まりや。
碧sideEND