双姫 Ⅲ
「タイム早かった奴には御褒美なー!
逆に最下位は俺の名簿叩きだかんなー?
光栄に思えよ?」
ちっとも嬉しくないです!
これぞ、飴と鞭!?
ルートはこの広い高校の周りを一周するだけ。
でも、広いから結構な距離になる。
「よーい……。」
ピーッ!
合図の笛が鳴り、一斉に走り出す。
幸い、男女混合だったから
私と蒼月を挟むように蓮斗と亜蓮が走ってる。
「御褒美ってなんだろーな。」
『あてにしない方が良いんじゃない?
期待して下らなかったら損じゃん。』
「朱羽は考えが大人だなぁ?
もっと夢を持とうよ!!」
「蒼月、なんでも良いから
名簿叩きだけは受けたくなぁーい!!」
確かに。
蓮斗達の見てたらくらいたくないよね。
体育祭の時のヤバかったし……。