双姫 Ⅲ
ガァン!
「うわぁぁぁ!」
バキッ!!
「ぎゃぁぁぁ!!」
部屋から出ると苦痛の叫び声が聞こえた。
どうやら連れ攫われた場所は倉庫みたいな所。
そして、その叫び声は倉庫の外から聞こえる。
「暴れてんな。
だが、この人数相手に勝てるかな?」
下を見るとおよそ1000は居る。
『離して!離してよ!!』
お父さん!
ガァァーンッ!!
「おい、シャッター開けろ。」
ガラガラとシャッターが上る。
カツン…カツン……
「は……?」
豹柄男は驚いて、口が塞がらない。
それは私達も同じだった。
だって、
「私の娘を返して貰おうかしら?」
そこに居たのはお母さんだったから。