双姫 Ⅲ
双神崩壊
いつもなら騒がしい幹部室。
けれど、今は不気味な位に静まり返っている。
バンッ!
「一番乗り〜って皆早いなぁ!!
てっきりわいが一番やと思ったわ!」
「……碧、話がある。」
「なんやなんや〜?」
ケラケラと笑う碧はいつも掴み所がなく、
何を考えているのか分からない。
「最近、早く帰るのはなんでだ?」
「……忙しいんや♪
これでも『飯嶌組』の次期組長なんやで?
覚える事めっさあってネジが飛びそうや!」
「今日、どこで何してたぁ〜…?」
「真面目に学校でお勉強してたで?」
嘘だ…確かにあれは碧だった。
『じゃあ、どうして学校近くに居たの?』
「蒼月、碧が電話してたの聞いたの…。
「始末しろ」って蒼月達の事…?
違うよね?「違う」って言ってよぉ!!」
でも、碧から出た言葉は
「なぁ〜んや、バレてたん?」
私達の期待を裏切るものだった。